なぜ生きた水草なのか
- 水をきれいにする:魚が出す硝酸塩やアンモニウムの一部を吸収する。
- コケを抑える:成長の速い水草が、コケの好む栄養を使ってしまう。
- 魚の隠れ家になる:臆病な種や縄張りをもつ種には隠れ場所が、稚魚には逃げ場が必要である。
生きた水草のない水槽でも、換水を増やせば成り立つ。しかし水草があるとバランスがとりやすくなり、水槽も自然に見える。
レイアウトを考える
Tropica は、始める前にレイアウトをスケッチし、まず底床、石、流木などのハードスケープを配置してから水草を植えるようすすめている。水槽に奥行きを出すには、2つの原則がある。
- 傾斜をつけた底床:手前は砂利 3〜4 cm、奥は 6〜8 cm。
- 段になった水草:背の低い水草を前景に、中くらいのものを中景に、背の高いものを後景と両脇に植え、手前に泳ぐ空間を残す。
正面図
側面図
底床、石、流木
- 底床:粒の大きさ 0.8〜4 mm の砂利なら、根の周りを水が通る。その下に 0.5〜1 cm の栄養系ソイル(肥料入りの下床)を敷くと、根を張る水草に栄養を与えられる。コリドラスのように底をあさる魚には細かい砂が向く。
- 石:石灰質の石は硬度と pH を上げる。酢をかけて泡立つ石は石灰質である。こうした石は硬水の水槽だけに使う。大きな石は、底床を入れる前に発泡スチロールの板の上に置き、底のガラスを守る。
- 流木:最初は浮くことが多く、水を琥珀色に染めるタンニンを出す。入れる前に、水を替えながら数日間水に浸けておく。
- とがった物、塗装された物、アクアリウム用でない飾りは避ける。魚を傷つけたり、水に有害な物質を出したりすることがある。
育てやすい水草を選ぶ
Tropica は水草を3つの区分に分けている。育てやすい(Easy)水草は弱い照明でも育ち、CO₂ の添加もいらないので、はじめての水槽で最もうまくいく。
| 水草 | タイプ | 配置 | 知っておきたいこと |
|---|---|---|---|
| Anubias barteri var. nana(アヌビアス・ナナ) | 根茎 | 前景、石や流木に活着 | 最も育てやすいもののひとつ。日陰を好む |
| Microsorum pteropus(ミクロソリウム) | 根茎 | 中景、石や流木に活着 | レイアウト素材に活着し、ゆっくり育つ |
| Cryptocoryne wendtii ’Green’ | ロゼット型 | 前景または中景 | 手間がかからず、日陰にも強い |
| Echinodorus ’Reni’ | ロゼット型 | 中景 | 赤と緑の小型エキノドルスで、小型水槽向き |
| Bacopa caroliniana(バコパ・カロリニアナ) | 有茎草 | 後景 | 差し戻した先端が新しい株になる |
| Vallisneria(バリスネリア) | ランナー | 後景 | リボン状の長い葉で、自然に増える |
| Taxiphyllum barbieri(ウィローモス) | コケ | 石や流木の上 | 稚魚やエビの理想的な隠れ家 |
| Limnobium laevigatum(アマゾンフロッグピット) | 浮草 | 水面 | 下の水草に影をつくる |
水草の種類に合わせて植える
最も簡単なのは、水槽に数センチだけ水を入れた状態で植え、霧吹きで葉を湿らせておく方法である。それぞれの水草からポットとロックウールを外し、次のように植える。
- 有茎草:根を約 4 cm に切りそろえ、下の葉を取り、1本ずつまとめて植える。
- ロゼット型:根を約 4 cm に切りそろえ、株を分け、古い葉を取り除く。
- 根茎の水草(Anubias、Microsorum):根茎は決して埋めない。腐ってしまう。糸で流木や石にくくりつけるか、2つの石の間に挟む。
- コケ:小さな房に分けて、レイアウト素材の上に置くか、くくりつける。
- 浮草:水面に浮かべるだけでよいが、下にできる影を考えておく。
最初の3か月
Tropica によると、最初の90日が勝負である。水草が環境に慣れていく一方で、コケも増えやすい条件がそろう。次の習慣がこの時期を乗り切る助けになる。
光を控える
最初の2〜3週間は1日6時間、その後は8〜10時間。
最初はたっぷり換水する
Tropica は、3〜4週間は週2回 25〜50%、その後は週に約 25% の換水をすすめている。
最初の1か月は肥料を控える
水草は育成場からたっぷり栄養をもらって届く。何より根を伸ばすことが必要である。
成長の速い水草を加える
Egeria(アナカリス)や Limnophila のような成長の速い水草は余分な栄養を吸収する。あとで取り除いてもよい。
魚は急がずに入れる
水草が根づき、フィルターのサイクリングが済むのを待ってから、少しずつ入れる。
ポイント
- 生きた水草は汚れの一部を吸収し、コケを抑え、隠れ家になる。
- 傾斜をつけた底床と段になった水草が、レイアウトに奥行きを与える。
- 石は酢で確かめ、流木は入れる前に水に浸けておく。
- アヌビアスやミクロソリウムの根茎は決して埋めない。
出典
- Tropica「Hardscape and substrate」
- Tropica「Planting」
- Tropica「Starting a new aquarium」
- Tropica、1-2-Grow! カタログ
- Tropica「The right light for your aquarium」
- OATA「How to set up and look after a freshwater tank」
これらの出典をもとに Aquarius が執筆しました。獣医師の助言に代わるものではありません。